マニュアル制作を外注すると、制作や電子化、印刷・製本、動画化など、多くの作業をプロのノウハウを持った業者に任せることができます。自社にマニュアル制作が得意な人材がいない場合や、マニュアル制作のための十分な時間を確保できない場合などには、外注の活用がおすすめです。
本記事では、マニュアル制作を外注するメリットやデメリット、費用相場などについて解説します。マニュアル制作の外注を検討している方にとって、必見の内容となっています。
目次
マニュアルの外注でできること4選
マニュアルの外注でできることとしては、制作・電子化・印刷と製本・動画化の主に4つの作業が挙げられます。ここでは、外注できる4つの作業について詳しく解説します。
マニュアルの制作
マニュアルの制作を依頼すると、これまで自社で作成していたマニュアルを外部の委託業者が一から作成してくれます。納品形態は委託業者によって異なり、紙媒体やWebサイト、PDF、動画などさまざまです。
自社にマニュアル設計や制作ができる人材がいない場合は、プロの業者に依頼することで、クオリティが高く使い勝手の良いマニュアルを準備することができます。また、削減したリソースをより重要な業務に割り当てることも可能です。
マニュアル作成のコツについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マニュアル作成の方法とは?流れやポイントを詳しく解説
マニュアルの電子化
これまで社内で使用していた紙のマニュアルを電子化する業務も、外注することができます。
マニュアルの数が少ない場合は、自社でスキャンしてPDFに変換することも十分に可能でしょう。しかし、数十冊以上の大量のマニュアルがあったり、一つひとつのマニュアルのページ数が膨大だったりする場合、自社で電子化するのは手間と時間がかかります。
電子化の委託をうまく活用することで、手間をかけずにアナログからデジタルへの移行が可能になります。
マニュアルの印刷・製本
マニュアルの印刷と製本も、外注できる業務のひとつです。
自社で制作したマニュアルを大量に印刷する必要がある場合、印刷と製本にかかる時間は膨大です。特に製本はステープラ留めで対応できない厚さのマニュアルがある場合や、見栄えを重視する場合、プロの技術を持つ業者に任せた方がクオリティも確実性も高くなります。
委託業者によっては、制作を委託したマニュアルをそのまま印刷・製本してもらうことも可能です。
マニュアルの動画化
近年ではマニュアル動画の需要が高まっており、マニュアルの動画化も人気の委託業務となっています。紙で使用していたマニュアルを読み込み、音声やテロップ、BGM、アニメーションなどを付け加えて動画化することで、より情報量が多く、視覚的にわかりやすいマニュアルを作ることができます。
動画制作には知識と技術が必要になるため、初心者が1から学ぶのは時間と工数がかかります。手元にあるマニュアルを手早く動画マニュアルに変換したい場合は、委託業者を利用するのがおすすめです。
マニュアルを外注するメリットとデメリット
ここからは、マニュアルを外注するメリットとデメリットについて解説します。
外注には多くのメリットがありますが、一方でコスト面やコミュニケーション面などのデメリットもあるため、外注するかどうかはメリットとデメリットをよく検討して慎重に決めることが大切です。
メリット
マニュアルを外注するメリットとして、次のようなものが挙げられます。
・プロのノウハウを取り入れたクオリティの高いマニュアルを制作できる
・自社のリソースを削減できる
・大量制作にも対応できる
使いやすいマニュアルを制作するためには、細部にまで気を配って内容を設計する必要があります。プロの業者はさまざまなマニュアルを制作してきたノウハウを駆使して、クオリティの高いマニュアルを制作してくれます。
また、自社でマニュアルを制作すると多くの工数がかかりますが、外注を利用することで、自社のリソースを削減して他の業務に回すことが可能です。
マニュアルは作るだけではなく、動画などにして現場で運用することで、初めて効果を発揮します。効果の高いマニュアルを作成するなら、紙やPDFのマニュアルよりも動画化をおすすめします。
マニュアル動画について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マニュアル動画作成のメリットとデメリット、作成ステップを詳しく解説
デメリット
マニュアル制作を外注するデメリットとしては、次の3点が考えられます。
・外注コストがかかる
・マニュアルの内容を決定するまでにこまめなコミュニケーションが必要
・委託先とビジョンがずれていると希望内容と異なる成果物ができる可能性がある
マニュアル制作を委託するためには、外注コストが発生します。自社の人件費がどのくらい削減できるのかなども考慮したうえで、費用対効果を見極めて外注するかどうかを決めましょう。
また、マニュアルの内容が決まるまでの間に、外注先の担当者と何度もコミュニケーションを取る必要があります。外注先とのビジョンがずれていると、想定と異なるマニュアルが完成してしまう可能性もあるため、十分にすり合わせを行うことが重要です。
マニュアルを社内制作するメリットとデメリット
続いて、マニュアルを社内制作するメリットとデメリットを解説します。
メリット
マニュアルを社内制作するメリットとしては、次のようなものがあります。
・制作コストを社内の人件費に含めることができる
・マニュアル制作のノウハウを蓄積できる
・細かい仕様変更に即座に対応できる
マニュアルを社内制作する場合は、製作コストを社内の人件費に含められるため、外注費が発生しない点がメリットとして捉えられる場合もあります。組織の考え方にもよるため、外注と社内制作のどちらが望ましいのかは柔軟に判断しましょう。
また、マニュアル制作のノウハウを蓄積できる点も、メリットのひとつです。将来にわたってマニュアル制作を社内制作していきたいのであれば、外注ではなく、社内制作を選ぶことをおすすめします。
他にも、細かい仕様変更に即座に対応できる点もメリットといえるでしょう。
デメリット
マニュアルを社内制作するデメリットは、次の通りです。
・マニュアル制作に時間を取られすぎると通常業務に影響する可能性がある
・社内にノウハウがある人材がいないと、クオリティの低いマニュアルになってしまう
一般的に、マニュアル制作は通常業務の合間を縫って行われることが多いです。そのため、マニュアル制作に時間を取られすぎると、通常業務に悪影響を及ぼす可能性があります。反対に、通常業務が忙しいあまり、いつまで経ってもマニュアル制作が進まないケースも少なくありません。
加えて、社内にマニュアル制作に関するノウハウを持った人材がいないと、クオリティの低いマニュアルになりやすい点も注意が必要です。
活用しやすいおすすめの外注先3選
マニュアル制作で活用しやすいおすすめの外注先として考えられるのが、マニュアル制作会社、クラウドソーシング、フリーランスの3つです。ここでは、3つの外注先のメリットやデメリットについて解説します。
マニュアル制作会社
マニュアル制作会社とは、マニュアルの制作を専門的に請け負っている会社のことです。プロのノウハウが豊富に蓄積されており、さまざまなマニュアルの種類やメディアに対応していることから、自社の事業領域を理解したクオリティの高いマニュアルに仕上がりやすい点が特徴です。
一方で、3つの方法の中では最も費用が高くなりやすいというデメリットもあります。マニュアル制作にかけられる予算が限られている場合は、他の方法も検討する必要があるでしょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、個人事業主や副業として案件を請け負っているパラレルワーカーが登録しているプラットフォームです。企業や個人はクラウドソーシング上で自由に仕事を募集し、登録しているワーカーはその案件に応募することができます。
クラウドソーシングのメリットは、マニュアル制作会社に比べて費用を比較的安価に抑えやすい点です。限られた予算の中でマニュアル制作を外注したい場合におすすめです。
一方、経験の浅いワーカーも混じっているため、クオリティにばらつきが出やすいというデメリットもあります。
フリーランス
マニュアル制作を専門に活動しているフリーランスに直接声をかけて、マニュアル制作を依頼する方法もあります。専門知識を持った信頼できるフリーランスとの繋がりがあれば、マニュアル制作会社に比べて安価でありながら、同等のクオリティのマニュアルを制作してもらうことができます。
しかし、チームで動くことの多いマニュアル制作会社に比べると、個人で対応するフリーランスは納期が長くなりやすいというデメリットもあります。
【項目別】マニュアル制作の相場とは
マニュアル制作にかかる具体的な金額は、外注先によって大きく異なるため、一概に〇円と言い切ることはできません。しかし、ある程度の相場は存在するため、目安として押さえておくと良いでしょう。
ここでは、項目別に一般的なマニュアル制作の相場を紹介します。
企画・構成費用
企画・構成とは、マニュアルを制作する前に、マニュアルの内容や構成を具体的に設計するための費用です。
打ち合わせの回数や時間、制作チームの人数、工数などによって費用は変動しますが、一般的には15~30万円程度に収まることが多いようです。
前述の通り、自社が求めるマニュアルを忠実に再現するためには、担当者とのこまめなコミュニケーションが必要不可欠になります。
原稿の作成費用
原稿の作成費用とは、企画・構成に沿って実際にマニュアルを制作する費用です。原稿の作成費用はマニュアルのページ数によって大きく異なり、多くの場合は1ページにつき6,000~1万5,000円程度に設定されています。
ただし、専門用語が多い、内容が難解などの条件がある場合は、別途対応費用が設定されているケースもあります。
図・画像
図や画像は、マニュアルの本文をよりわかりやすく表現するための図やイラスト、グラフなどの制作費用です。1点あたり2,000~1万円程度が相場ですが、複雑性の高いイラストを制作したり、著名なイラストレーターに依頼したりする場合は、さらに高額になる可能性があります。
印刷・製本
印刷・製本費用は、制作したマニュアルを印刷し、本の形に仕上げるための費用です。ページ数や制作部数、用紙の種類などによっても費用は数万円から数十万円と大幅に変動するため、発注前に要件を決めておき、見積もりを取ることが大切です。
マニュアル制作を外注する際のポイント
マニュアル制作を外注する際のポイントとして、次の5つが挙げられます。
・委託できる範囲
・得意分野
・対応メディア
・対応力
・実績
ここでは、上記のポイントについて詳しく解説します。これからマニュアル制作の外注を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
委託できる範囲
マニュアル制作のどの部分を委託できるのかについて、事前に調査しておくことは重要です。ひと口に外注といっても範囲はさまざまであり、制作するマニュアルの内容を検討する段階からコンサルティングしてくれるサービスもあれば、事前に制作する内容を自社内で具体的に決めておき、マニュアルの制作だけを委託できるサービスもあるためです。
委託範囲が明確になっていないと、「この作業は任せられると思っていた」などの行き違いが発生する可能性があるため、十分な注意が必要です。
得意分野
外注業者にもそれぞれ得意とする分野があるため、自社の事業領域を得意とする外注先に依頼することが大切です。マニュアル制作のノウハウが十分にあったとしても、自社の業種・業態について十分に理解していない外注先だと、細部まで行き届いた使いやすいマニュアルにならないおそれがあるためです。
事前に自社の業務について詳しく説明し、理解を深めてからマニュアル制作を任せることが、クオリティの高いマニュアルを完成させるポイントです。
対応メディア
どのようなメディアに対応しているかどうかも、事前にチェックしておきたいポイントです。紙媒体での制作をメインとしているのか、PDFで納品するスタイルなのか、動画や音声なのかなどをよく確認しておきましょう。
普段、紙媒体のマニュアルを中心に制作している外注先に動画マニュアルの制作を依頼しても、期待通りのクオリティに仕上がらない可能性があります。事前にWebサイトなどで制作事例を閲覧して、自社が求めている内容のマニュアルを納品してもらえるかどうかを確認しましょう。
対応力
外注先の対応力は、マニュアル制作期間やクオリティを左右する重要な要素です。高い技術を持ち、幅広い表現力がある外注先は、自社の事業領域を理解したうえでマニュアルに上手く落とし込み、使いやすさを重視した成果物を納品してくれます。
マニュアルの形になっていても使用者に配慮されておらず、実際に使ってみると使い勝手が悪いためになかなか現場に浸透しないケースもよくあるため、担当者とコミュニケーションを取りながら、発注前に対応力を見極めましょう。
実績
マニュアル制作の実績が豊富な外注先は、一定の信頼が置けると判断できます。もちろん、担当者レベルでの相性などはありますが、これまで多数のマニュアルを納品してきたということは、その外注先が多くの企業に選ばれたということでもあるためです。
発注前に必ず過去の実績を調べておき、十分な実績があるかどうかを確認しましょう。このタイミングで過去に自社と同じ事業領域を扱う企業のマニュアルを作成した経験があるかどうかも確認しておくと、より安心です。
相場を押さえて、自社の予算に合った外注方法を検討しよう
マニュアル制作で委託できる作業には、制作や電子化、印刷・製本、動画化などさまざまなものがあります。一部または全部を委託することができるため、自社に必要な委託範囲を確認したうえで、必要な部分を外注しましょう。
外注するかどうかを判断する際は、委託にかかる相場を知ることも大切です。作業内容と予算のバランスを見極めて、予算に合った外注方法を検討することが大切です。
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