損保ジャパンパートナーズ株式会社様は、全国にサービス拠点を持つ国内最大級の保険代理店として、損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)やグループ会社、提携保険会社の損害保険・生命保険を提供されている他、保険募集人(保険の販売を行う人材)の育成事業にも取り組まれています。
同社では、損保ジャパンから委託されている保険募集人の教育事業における教育教材作成の一環として、2019年6月よりPIP-Makerをご活用いただいています。
本記事では、教育研修の企画・運営を担当されている営業統括部 TA教育グループの豊福真一様と太幡律子様(2024年3月末時点)に、保険代理業の対面接客業務教育における動画教材の活用法や、学習者の理解向上のための取り組みについてお話をうかがいます。
はじめに、貴社のご紹介と担当されている業務についてお聞かせください。
(豊福様)
当社は、損保ジャパンの100%出資保険代理店として損保ジャパンやそのグループ会社、提携保険会社の商品を取り扱う保険代理サービスをご提供しています。保険とは、お客様の人生に関わる大切なものです。それを扱う保険募集人には、お客さまの「声」や「想い」に真摯に向き合い、寄り添うことが求められます。
当社では、損保ジャパンに入社した保険募集人(研修生と呼んでいます)の育成も担当しており、TA教育グループは、研修生が正しい知識とスキルを身につけられるよう、オンラインによる集合研修の企画・運営、そして実践的な募集業務を学ぶための教育ツールを作成し、全国の支店に提供しています。
動画ツールを活用しようと思ったきっかけやPIP-Makerを選ばれた理由をお聞かせください。
(太幡様)
以前の保険募集人への研修は、損保ジャパンが自社で行っていました。その際、学んだ保険商品の内容を復習するためにPIP-Makerを使っていたのです。そのような経緯があり、我々が引き継いだ時も、損保ジャパン教材の編集等で使い始めました。
検証したところ、同時期に同じ動画を視聴できるなど利便性が高いこと、また、当社の他の教育にも使えると判断しました。加えて、これまで使っていたeラーニングよりも動画が作成しやすく、使い勝手が良いことから正式導入を決めました。
ですので、特に他の類似ツールと比較検討することはなく、もともと損保ジャパンの研修で使っていたPIP-Makerを当社でも使うようになったという経緯です。導入当初は、損保ジャパンで作成したコンテンツをそのまま当社のPIP-Makerに移管する形で、運用をスタートしました。
PIP-Makerをどのように使われているのか、また工夫されている点があれば教えていただけますか?
(太幡様)
損保ジャパンから業務委託された当時は、最初の種目の教育を各支店で実施して、復習用としてPIP-Makerを使っていましたが、その後のコロナウイルスの感染拡大で、集合研修をすることが出来なくなってしまいました。また、業務効率という観点からも、代替できる部分はできる限りPIP-Makerの動画で自習してもらうようにしました。
しかし、動画だけでは、どうしても知識が定着しない部分があります。この点に関しては、全国の支店の職員に力を借り、分からないところは現場で教えてもらうようにしています。
この様に、基本的な知識はPIP-Makerで自習してもらい、得た知識を実際のお客様との対話でどう活かすかを現場の職員に質問することで、研修生に理解を深めてもらうようにしています。
(豊福様)
現在、研修はすべてオンラインで実施しており、ロールプレイングの指導やセールスプロセスなど、お客様の購買心理を学ぶ研修を行っています。オンライン化で研修時間も短くなったので、保険商品の内容のような知識系の学びについては、PIP-Makerの動画で事前学習してもらうようにしています。以前の集合研修の時は、この説明もすべて講師が行っていたので、非常に業務削減につながっています。
(太幡様)
学習者の理解向上のために、コンテンツ内容にも工夫を凝らしています。前述の通り、ベースは損保ジャパンで使っていた復習用のコンテンツですが、当社の利用目的は自習用のカリキュラム作成です。そこで、保険商品の内容のように自習用に使える部分はそのまま引き継ぎつつ、受講者の理解を高めるようにしています。
保険商品という性質上、どうしても一単元の研修時間が長くなってしまうのですが、短く分割することができません。そこで、理解度を自分で確認できるよう動画の途中に練習問題を入れたり、アニメーション機能を使い視覚的にも分かりやすくするなど、自習しやすく、かつ知識の定着につながるコンテンツとなるよう工夫しながらブラッシュアップしています。
この他にも、職員のコンプライアンス向上のために毎月行っているコンプライアンステストの集計に、PIP-Makerの「テストの正答率を見る」機能を活用したり、社員教育の教材として使っています。
実際に使われた感想をお聞かせください。
(豊福様)
『既存のパワーポイントのノート部分に、文章を入れてアップロードするだけ』という使いやすさが良いですね。当グループのメンバーは6名ですが、使い方が分からないという質問はほとんどなく、全員が使えています。私でも、簡単に動画内に問題を入れられるくらいですから(笑)
実は、少し前に勇退したメンバーで “PIP-Maker職人” のような人がいて、頼むとササっと作ってくれたのです。もういらっしゃらないので、今は全員が使えるよう頑張っています。習うより慣れろで、特にマニュアルを見なくても直感や感性で作れます。機能が充実しているので、バックミュージックを入れたり、アバター選びにこだわったりと、先行して色んなことにトライアルするメンバーもいます。
損害保険はすそ野が広く、教える項目が非常に多いので、以前の集合研修の時は、研修会場に1週間詰めなければなりませんでした。現在は、PIP-Makerで作った動画のURLをセールスフォースで共有しているので、いつでも自習してもらえるようになりました。このように、事前に学べる内容は各人の都合で学べる環境を作れたことは、受講者だけでなく、我々の業務効率化や作業軽減につながったと感じています。
(太幡様)
当研修は、初めて保険業界で働く方を対象としているので、非常に学ぶことが多く、一つひとつの単元がどうしても長くなってしまいます。しかし、長尺な動画だと研修生の集中が続きません。その点、PIP-Makerなら、冒頭の目次から該当箇所にリンクできますし、動画の途中に理解定着のためのテスト挟むなどの工夫ができます。これまで当社で行っていたeラーニングの教材は、文字がメインで単調になりがちでしたが、動くアバターが説明してくれるので、視覚的な親和性もあると思います。
保険商品は毎年何らかの改定が入るので、それに合わせて教材も変更する必要が生じます。ビデオで撮影した動画だと一から撮り直さなければなりませんが、PIP-Makerは、パワーポイントで変更箇所を修正するだけで済むので、作業が軽減される点もありがたいです。その他にも、研修生が実際に視聴しているかを確認するために、ログ管理機能も有効活用しています。
大変満足しているのですが、欲を言えば、現在オンライン研修で講師がやっているロールプレインイングもPIP-Makerでできるよう、動画内に動画を組み込めるようなになればよいと思います。
最後に、他社の皆さまにメッセージをお願いします。
新たな教育ツールを作成するには、多大なる労力と時間がかかります。また、その後の内容の更新等のメンテナンスも発生します。私たちも、作成とメンテナンスに毎回苦労をしてきました。
スピードが重視される昨今、PIP-Makerでツールを作成していくことは、費用対効果の面でとても有効なものだと実感しています。動画制作ツールとして大変満足しています。
今後もPIP-Makerを活用して、社内教育教材を制作して参りたいと思っております。
<4COLORSスタッフ一同より>
豊福様、太幡様、この度はお忙しいところ貴重なお時間、ご意見をいただき誠にありがとうございました。保険募集人の教育という業界特有の研修の在り方や、受講生の理解向上に向けた様々な取り組みについて詳しくお話しいただき、大変参考になりました。心より感謝申し上げます。
ご期待に沿えるよう、今後もより良いサービス開発し、お客様へのサポートに邁進してまいります。
今回の記事が、他保険業界の皆さまのご参考になれば幸いです。