トヨタ自動車株式会社の人事部厚生室が独立する形で2002年に設立されたトヨタパーソナルサポート株式会社様。人事部厚生室時代のノウハウを活かし、トヨタグループの人事・福利厚生業務において高品質かつ効率的な事務サービスと充実した制度を提供し続けています。
サービスや制度を提供するにあたり、その内容をどのような形で対象の従業員に伝えるかは、同社の業務そのものと言っても過言ではないほど大切な要素であり、以前からさまざまな工夫をしてきたそうです。とりわけ、動画による発信には意欲的に取り組んできましたが、制作や更新には苦労されたそうです。
どのような苦労を経てこの度の導入へとつながったのか、どのような導入成果が得られたのか、取締役社長の河合隆成さんにお話を伺いました。
PIP-Maker導入前に感じておられた課題を教えてください。
たとえば年末調整の案内や海外赴任する方へのサポートなど、お客さま会社の従業員向けにリリースする情報は多岐にわたります。そうした情報を誰にとってもわかりやすい形でお届けしたいという思いは常にあります。普通の書類データで作成していたこともありますが、普通の書類データでは情報を掲載しても、忙しい職場の従業員には、なかなか読んでもらえないですね。結局電話での問い合わせが増えて対応に時間がとられてしまう。動画のほうが見てもらえる、伝わりやすいという認識は以前からあったので、色々とトライはしてきました。社員に台本を読んでもらって自分たちでカメラをまわして撮影し、編集して動画サイトにアップする、といったこともしていました。書類に比べて反響は良かったのですが、いかんせん制作に手間がかかり過ぎましたし、それ以上にメンテナンスが困難でした。内容に変更があって動画を更新したくても、画像・映像の差し替え、ナレーションの再収録などで早くても2〜3日、場合によっては1カ月近くの時間がかかってしまうこともありました。タイムリーにサービスを提供するのが私たちの役割であるにもかかわらず、情報提供の内容の更新が追いつかなくなってきたのです。
そんな時にPIP-Makerと出会われたのですね?
はい。これなら親しみやすい動画が簡単に作れる、これはいいのではないかと直感し、すぐ導入して実際に動画を制作してみました。
実際に使ってみていかがでしたか?
PIP-Makerで動画を制作してみてまず感じたのは、アバターが視聴者に向けて語りかけてくるというユニークな仕様でした。PIP-Maker導入以前の自前の動画では、単純にテキストを読み上げるだけのナレーションでしたので没入感が乏しく、従業員が何度も巻き戻して確認するというケースが多かったのですが、ずっとわかりやすくなりました。
わかりやすくなったのは動画の作り手である私たちも同様で、自然と従業員に「語りかける」という意識を持ってコンテンツを制作できるようになりました。
PIP-Makerでの動画作成の利点はどのようなものがありますか?
新たに「動画作成ソフト」を習得する必要が無いということが挙げられると思います。日頃から使い慣れているPowerPointで制作できるので導入のハードルは非常に低かったです。また、URLだけで動画が閲覧でき、動画を置いておくサーバーの準備が不要であること、そして社外からもQRコードを読み取ることで閲覧できるため、年末調整の申請のしかたなどは自宅で従業員家族にも見てもらえますので、従業員にとっても利便性の高い運用が可能になりました。
具体的な導入の成果を教えてください。
先述の通り、以前は動画の制作・更新に多くの手間と日数を要しており、それ故につい制作・更新がおっくうになってしまう、ということもあったのですが、PIP-Makerを活用するようになって動画制作の工数は体感的には90%減、そしてPowerPointを更新すれば動画も更新されるので、常に最新の情報をきめ細かく発信できるようになりました。従業員からも好評です。
動画化の工数をほぼ考慮しなくてもよくなったことで、発信側である私たちも、従業員にとって本当に必要な情報をいかにシンプルに、わかりやすく伝えるか、という自分たちの本来の役割にフォーカスした思考で取り組めるようになりましたし、そうした姿勢はお客さま目線で物事を考えるきっかけにもなると思います。
あとは問い合わせが減った、というのも大きな成果です。集中して自分の作業ができる環境の構築にも貢献できていると思います。
PIP-Makerでの動画制作・運用が軌道に乗りはじめた今では、それまで全く動画によるマニュアル展開を想定していなかった他部署もPIP-Makerの利用を検討しはじめるようになり、全社的な動きになっています。
今後の展望をお聞かせください
PIP-Makerの継続的な機能向上を期待しつつ、同時に私たちもより効果的な、伝わるコンテンツを作り出せるよう使い方を習熟させていきたいです。たとえば特定の単語のイントネーションの辞書登録ができるとのことですので、活用して精度を上げていきたいです。そうした作業を通じて、トヨタグループ独自の用語や言い回しをより普遍的なものに統一していくことへの気づきも得られるかと思います。また他社や自治体などでの導入事例では、社長さんや市長さんに似せたオリジナルのアバターを使っているところもあると聞きましたし、まだまだ色々な機能や使い方を試してみたいと思っています。
トヨタはモノづくりの企業なので「リアル」「現物」を基本とする風土があります。そんな中でPIP-Makerといういわばバーチャルなデジタルツールがうまく浸透しつつあることは意義深いと感じています。これからもリアルとデジタルをうまく融合させられるようなソリューションを積極的に活用していきたいと考えています。
※こちらインタビューはPIP-Maker販売代理店のTOPPANエッジ株式会社の執筆・監修です。